松原市薬剤師会と松原警察署がタイアップして、会員薬局で特殊詐欺の手口を記した啓発用レジ袋を使い被害啓発の声がけを行っています。(読売新聞朝刊)
松原市の特殊詐欺被害は3ヶ月で22件2400万円にのぼり府下ワースト1になっています。
薬局カウンターで、詐欺手口等を声がけをして詐欺被害防止啓発をしています。
変な電話がかかって不安を感じたら、警察・薬局にご相談ください。
◆特殊詐欺、意識高めて 「カード預かり」レジ袋で注意 松原の調剤薬局
「キャッシュカード預かります ATMでお金返しますよ こんな電話はすべて詐欺」。こうした特殊詐欺の手口を記した啓発用レジ袋を松原署と松原市薬剤師会がつくった。市内では特に高齢者を狙ってキャッシュカードをすり替える詐欺が急増しており、市内の調剤薬局が袋を活用して注意を呼びかけている。
松原署によると、市内では1~3月に、キャッシュカードすり替えなどの特殊詐欺被害が府内65署で最も多い20件発生した。被害額は計約2400万円に上るという。
松原市内の70歳代の女性宅には3月上旬、警察官を装った男から「キャッシュカードが不正に使われているので新しいカードに交換する必要がある」との電話があり、続いて銀行協会職員を名乗る男が訪れた。
女性は男に「新しいカードが出来るまで古いカードが使われないよう保管してください」と言われ、指示された通り、封筒にカード3枚と暗証番号を書いたメモを入れたところ、「封かんするので、印鑑を押してほしい」と求められた。
そこで印鑑を取りに行っている隙に、男はポイントカードなどが入った別の封筒とすり替え、キャッシュカードが入った封筒を持ち帰ったが、女性は気付かずに別の封筒を保管していた。その後、200万円が引き出されていたことがわかり、被害が発覚したという。
市内では、こうした警察官や金融機関の職員を装った人物による詐欺の被害が目立っており、市薬剤師会の磯野元三会長は「被害を防ぐために、レジ袋で高齢者らの意識を高めていきたい」と話している。
◆特殊詐欺防げ 標語入り袋2万枚作製、大阪府警松原署
高齢者らが特殊詐欺被害に遭うのを防ごうと、大阪府警松原署は防犯標語を記したビニール袋2万枚と、キャッシュカードや通帳を入れるケース650個を作製、今月から高齢者と接する機会が多い調剤薬局でビニール袋、ケアマネジャーにカードを配布してもらう取り組みを始めた。詐欺犯からキャッシュカードをだまし取られないよう注意喚起の文言が記されている。(藤崎真生)
薬の袋やキャッシュカードのケースに標語を記し、高齢者らに配布することで、普段から防犯意識を高めてもらうのがねらい。大阪府松原市薬剤師会、市地域包括支援センターと連携し、実現した。
協力した調剤薬局は松原市内の38店舗で、高齢者らに薬を渡す際、「キャッシュカード預かります!!」「風邪引いた(息子になりすます)」という電話は、「すべて詐欺」などと書かれたビニール袋に入れてもらう。
また、ケアマネジャーは市内の高齢者宅を訪問する際、「キャッシュカードは 渡さない」「暗証番号は 教えない」と記されたケースを配ってもらう。
調剤薬局でビニール袋を受け取った市内の主婦(78)は「身近にビニール袋があることで、被害を防ぐ意識も高まると思う」と話した。
松原署によると、今年1~3月、管内では20件の特殊詐欺事件が発生し、約2400万円の被害が発生。被害者はいずれも65歳以上で、百貨店社員や警察官らを装い、「キャッシュカードが不正利用されている」などとカードをだまし取る「手交型」が13件と最多を占めた。3月初旬には、この手口で松原市内の70代女性がキャッシュカード3枚をだまし取られ、約200万円を引き出された。
同署の担当者は「不審な電話があれば、まず警察や家族に相談してほしい」と注意を呼びかけている。